平戸洸祥団右ヱ門窯18代目
中里太陽 1977年1月23日生まれ
長崎県平戸藩の御用窯として誕生した三川内焼は、2016年文化庁の「日本遺産」認定を受けている。現在、30弱の窯元が三川内焼を継承し作品を生み出している。
「三川内焼の歴史を遡ると約400年です」と応えてくれたのは、平戸洸祥団右ヱ門窯18代目の中里太陽氏だ。三川内焼の魅力は?の質問に、「薄さと緻密さ」と応えてくれた。
確かにどれも薄くて軽い。細工、そして手書きの絵付けも緻密で繊細なものばかりである。私も三川内焼に惚れてます。イズミファニチャー ・ヨロズヤイズミでは、オリジナル商品作製をお願いしており、依頼した理由は、まさにそこでした。
ここ平戸洸祥団右ヱ門窯の平戸菊花飾細工技術は、市指定無形文化財にも認定されている。この飾細工作品は日本に留まらず海外での取引も行われており、今注目の技術である。「これをきっかけに三川内焼の認知を国内外に広めたい。」と海外へも出向き紹介活動を行なっている中里氏である。
三川内焼 平戸菊花飾細工花瓶
この度はその菊花飾細工の作業風景を見せて頂いた。粘土を捏ね形を整えながら、確認しているのは注文書の花弁の数。77枚、88枚、99枚は喜寿、米寿、白寿の祝いの意味を込めた品だからとの説明を受けました。花弁の数がその時々で変わるということも、そこに意味を含めることが出来ることも新鮮な驚きでした。
平戸菊花飾細工に取組む中里氏
それまでは談笑しながらの風景でしたが、いざ細工を開始するとただ沈黙。黙々と手元に集中して菊の花を創り上げていきます。何もない平面に花の中心が出来、一枚一枚と花弁が生み出される様子は何とも不思議であり、素晴らしいの一言です。作業中の心境を伺うと目の前の作業に集中して、無心であるとのことでした。
菊の花弁が生み出される情景
菊花飾細工は江戸期には作られていたようですが、ここ平戸洸祥団右ヱ門窯が菊花飾細工に特化した技術を継承しているのは、菊花紋章を持つ皇室に大正期より宮内庁御用達としての任を務めていたことにも由来していると推察している。この素晴らしい品々は三川内にある展示場で見ることが出来る。また、皆様に見ていただける機会として弊社でも三川内焼菊花飾作品展開催も計画中です。
乞うご期待下さい。
平戸洸祥団右ヱ門窯展示場 / 展示場内観
名称 | 平戸洸祥団右ヱ門窯(ひらどこうしょう だんうえもんがま) |
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住所 | 〒859-3155 長崎県佐世保市三川内町889番地 |
電話番号 | 0956-30-8606 |
営業時間 | 展示場 9時〜17時(休み:年末年始)/工房(休み:日曜日、年末年始) |
WEB | http://www.kohsyo.co.jp |