2023 コンテンポラリーアート展 by Izumi Furniture(9.2 Sat.~9.10 Sun.)

アート愛好家の皆さんに、待望のニュースが届きました。
今年はコンテンポラリーアート展と題して“時代と空間の探求:光と影の創造”が開催されます。

この展示では、杉本博司、ハワード・ホジキン、アントニ・タピエス、池田満寿男、ミュルミュール他、
国際的に有名なアーティスト作品が一堂に会します。

展示のテーマ性

この展示の目的は、これらの画家がその時代に空間とどう向き合っているか、そして彼らがいかにしてそのテーマ性を画布に描き出しているのかを探求することです。

異なる背景と文化からくる彼らの視点が、時代と空間という普遍的なテーマ性でどのように組み合わさるのか、それを直に体験できるのがこの展示の魅力です。

長崎での開催はこれが初めてです。この機会にその時代背景と画家の内面の表現を感じ、我々に伝えたいメッセージを受け止めてください。

開催場所と期間

場所:イズミファニチャー店内
期間:2023年9月2日(土)〜9月10日(日)まで
時間:11:00〜19:00

アーティスト紹介

杉本博司

杉本博司は1948年東京都生まれの写真家、美術作家。

70年に立教大学経済学部卒業後、渡米。ロサンゼルスのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学び、74年に卒業。ニューヨークに移住した。70年代後半からのちの代表作となる自然史博物館に展示されている動物標本を撮影した「ジオラマ」、20年〜30年代につくられた映画館のスクリーンに1本の映画を投影し、その始まりから終わりまで撮影した「劇場」、世界中の水平線を写した「海景」などのシリーズを発表する。

以降、近代建築の外観をあえてぼかして撮影する「建築」シリーズや、蝋人形の偉人たちを写したポートレイトシリーズなど数々のシリーズを手がける。美術分野以外での活動も活発に行っており、近年では人形浄瑠璃文楽の『杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中付り観音廻り』(2011)をはじめ、古典芸能を中心に舞台にも携わっている。

2008年には建築家・榊田倫之とともに建築設計事務所として新素材研究所を設立。古代〜近世の素材や技法を研究し、現代における再解釈と再興に取り組んでいる。

代表作にMOA美術館、IZU PHOTO MUSEUMなど。09年に古典演劇から現代演劇までの伝承・普及、古美術品等の保存・公開、現代美術の振興発展に寄与することを目的とした小田原文化財団を設立。17年には小田原に能舞台やギャラリー、茶室などを備えた文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」を開館させた。

近年の主な個展に「杉本博司 ハダカから被服へ」(原美術館、東京、2012)、「杉本博司 趣味と芸術−味占郷/今昔三部作」(千葉市美術館、2015)、「杉本博司 ロスト・ヒューマン」(東京都写真美術館、2016)など。

主な受賞に毎日芸術賞(1989)、ハッセル・ブラッド国際写真賞(2001)、高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)(2009)など。10年には紫綬褒章を受章。13年にはフランス芸術文化勲章オフィシエを叙勲。17年に文化功労者。

301 / Caribbean Sea, Jamaica 1980
364 / Bay of Biscay, Bakio 1991

ハワード・ホジキン(Howard Hodgkin)

ハワード・ホジキン(Howard Hodgkin)は、イギリスの画家および版画家で、1932年にロンドンで生まれ、2017年に亡くなりました。彼の作品は、色彩と形状の大胆な使用で知られ、感情と記憶の視覚的な表現として評価されています。

以下は彼の作品とキャリアについての詳細な情報です。

作品の特徴

ホジキンの作品は、しばしば感情豊かで抽象的な絵画で知られており、観察された風景や人々、体験からインスピレーションを得ています。彼は額縁を絵画の一部として使用することもよくあり、キャンバスの境界を曖昧にする手法でした。

キャリアと影響

ホジキンは1950年代にキャリアをスタートしました。彼の作品はモダニズムの多くの潮流から影響を受けていますが、特にフランスの後印象派の画家、特にエドゥアール・ヴュイヤールからの影響が指摘されています。

賞と展示

彼の作品は世界中の多くの重要な美術館とギャラリーで展示されており、1985年にはターナー賞を受賞しています。

インテリアとの関連

彼の色彩感覚と抽象的なスタイルは、インテリアデザインにも影響を与えています。特に、現代のインテリアデザインで色彩と形状を効果的に組み合わせる際のインスピレーションとなることが多いです。

Jarid’s Porch  1977

アントニ・タピエス

アントニ・タピエスは1923年生まれ、スペイン・バルセロナ出身。バルセロナ大学で法律を学ぶも画家の道に進み、初期はジョアン・ミロやパウル・クレーなどの影響を受ける。48年にシュルレアリストの作家や批評家、芸術家からなる「ダウ・アル・セット(さいころの7の目)」の結成に参加。

50年にパリを訪れて「アール・アンフォルメル(不定形の芸術)」の動向を知るいっぽう、パブロ・ピカソとも会う。翌年、「ダウ・アル・セット」が解散。次の展開として素材を注視し、絵画の模索期に入る。

自身の戦争体験、フランコ独裁政権への抵抗を根幹とするタピエスの作品は、絵具を厚く塗った「壁」を思わせ、キャンバスに布や不用品を貼り付けるほか、指や道具で付けられた落書きのような痕跡があり、「X」の記号は時に拒絶を意味している。土や砂を混ぜ込んだ絵具は深みのある色合いをつくり、生とは何かという問い、絶望や怒りといった感情が表されている。

53年にサンパウロ・ビエンナーレで優秀賞、58年にはヴェネチア・ビエンナーレでユネスコ賞を受賞。アンフォルメルの若手画家として注目を集めるなか、66年に反フランコ政権の活動によって逮捕される。70年代以降はポップ・アートの影響を受けつつ、オブジェクト(物体)について探求し、《覆われた椅子》(1970)など、古い布を使ってものを見えなくする、または包む方法を多用。立体的でありながら、しかしそのほとんどが壁に掛けられ、「絵画」の延長線上にあるこの時期の制作は「アルテ・ポーヴェラ」の動向とも関連づけられる。

80年代の作品からは「影」に対する関心がうかがえる。

90年にスペイン王室からアストゥリアス皇太子賞(芸術部門)を贈られ、同年に若手芸術家を支援する「フンダシオ・アントニ・タピエス(アントニ・タピエス財団)」を設立。

日本との関わりとして、タピエス自身の方向性に通じるものがある東洋の文化を深く研究し、岡倉天心の『茶の本』を愛読。75年には詩人・瀧口修造との詩画集『物質のまなざし』を共作する。90年に高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)を受賞、96年に回顧展が丸亀市猪熊弦一郎現代美術館ほか日本各地を巡回。2005年に原美術館(東京)で「タピエス─スペインの巨人 熱き絵画の挑戦」が開催された。12年没。

Negre i roig serie  1977
「La clau del foc」より : pl.2  1973

池田満寿夫

池田満寿夫は1934(昭和9)年に旧満州国・奉天で生まれ、終戦の年に父母と共に長野に引き揚げました。高校を卒業後、画家を志して上京。しかし東京藝術大学を3回受験するも失敗。そうした頃、1955年に靉嘔(あいおう)に出会い、彼を通じて瑛九(えいきゅう)や美術評論家の久保貞次郎を知ることになります。

瑛九は1951年に大阪で「デモクラート美術家協会」を結成していました。

「既成画壇に出品しないこと」が唯一の参加条件というその会には自由を求める作家たちが集まり、大阪と東京に拠点を広げて活動します。そして彼らは多くの人々に見てもらえる版画の制作に力を入れました。

瑛九から版画をすすめられた池田もデモクラートの最若手のひとりとして参加し、関西を拠点にする泉茂や吉原英雄、東京の靉嘔や加藤正らと交流を続け、久保の応援もあって銅版画の制作に打ち込んでいきました。

戦後、国力を回復してきた日本は、初の国際現代美術展として東京国際版画ビエンナーレ展を組織し、1957年に第1回展を開催。デモクラートの画家たちも積極的に出品し、泉は新人奨励賞に輝きました。 しかしデモクラートから入賞・入選者が生まれたことで、瑛九はデモクラートの解散を決めます。

その後、池田をはじめ若い画家たちは版画の可能性に目覚めて制作を続け、なかでも池田の作品はヴェネチア・ビエンナーレでの国際大賞など度重なる受賞と世界各国での個展開催へと飛躍をみせ、脚光を浴びていきます。

扉と窓  1969

ミュルミュール Murmure Street

ポール・レッサンクール&シモン・ロシェによるフランス出身の二人組。

現代の消費社会や環境に対する問題意識をシュールに描く。

ボザール(美術学校)で出会った二人はすぐにデッサンとストリート・アートへの情熱で意気投合、2010年よりストリートへ出没。

ミュルミュール・ストリートの名で、地元フランスほか、ノルウェー、オランダ、ロシア、日本、マルティニーク島など、各地でペースティングやペインティングによる壁画を遺す。

活動が制限されたコロナ禍においても、アメリカやフランスでの個展、パリでの巨大な壁画制作プロジェクトに参画するなど活躍。

台座 Piedéstal  2023
フィルター無し #2 Sansfltre #2
2023 Portrait 01  2021
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イズミファニチャー
tel : 0957-22-2851
住所:長崎県諫早市福田町24-5

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